2026/6/3 レター
#鵜川医院レター
死ぬために生まれた者たちと、生き残る者たち 「知ってた」=「忘れてた」 Planet Wildlife というサイトに、"Animals That Are Born to Die"(死ぬために生まれた動物たち)という記事がありました。産卵後に生きたまま腐敗する太平洋サケ、口すら持たず24時間以内に死ぬカゲロウ、繁...
2026/5/31 レター
#鵜川医院レター
体重は、訊く 体重を量らずに、訊いています。 外来での話です。検診ではあらかじめ機械的に測定されてしまいます。でもそれではせっかくの情報が失われてしまうのはないでしょうか。 外来では、まず訊きます。「体重は?」——この三文字、あるいは五文字の問いは、ときに人間性を炙り出すでしょう。 「体重は?」「えー、夏は水を飲...
2026/5/11 レター
#鵜川医院レター
美術館のカフェで 「関係ないことで恐縮ですが」と学生さんが言った。 関係ないことで恐縮、という前置きは、それ自体が言葉遊びのようだ。恐縮は態度を示すが、言葉にした時点で縮こまるどころか「今から面白いことを言うよ」の意味である。この言葉遊びを作ったのは何十年も前の芸能記者だったと思う。 だいたいこういう前置きの後に...
2026/4/29 レター
#鵜川医院レター
【重要】麻疹(はしか)が発生しています 2026年4月現在、伊勢原市内および神奈川県内において麻疹(はしか)の発生が報告されています。 比較的多い問い合わせ Q: 私は大丈夫でしょうか 以下の表の通りです。無防備な子どもたちを守るために、感染を広げない行動をとる必要があります。 | 年齢層 | 抗体保有状況の特徴...
2026/4/10 レター
#鵜川医院レター
お腹の中に「ホスピタリティ」を育てる方法 皆さんは、 「ブリストル」 という言葉を聞いて何を思い浮かべますか? 旅好きな方なら、パリにある最高級の豪華ホテル「ル・ブリストル・パリ」を思い出すかもしれません。ブリストルはウィーンなどにもあるので、チェーン?と思いきや、そうではないのだそうです。其々勝手にブリストルを...
2026/3/26 レター
#鵜川医院レター
「檸檬」の déjà vu 既視感 2026年3月24日、朝日新聞の「天声人語」が、神保町の電話ボックスに集まる若者たちと梶井基次郎の『檸檬』を結びつけて語っていた。人気アニメ『チェンソーマン』の聖地巡礼と、かつて京都の丸善にレモンを置きたいと憧れた文学少年の思い、これが見事に重なるというコラムだ。 さらに評論家...
2026/3/8 レター
#鵜川医院レター
「<120」の向こう側にある景色 ―太郎が自分の血圧と向き合うまで― 1. 血管の「ささやき」と、デジタルの「叫び」 この物語の主人公は山田太郎と言います。ちょっと医学に詳しい60歳。 薬を飲むのが好きか嫌いかを問われると太郎は前者です。抗アレルギー薬などは、「片っ端から自分で試してみる」タイプ。それでも「血圧を...
2026/2/28 レター
#鵜川医院レター
嗅覚障害とそのリハビリに関する徒然 COVID 19以外でも嗅覚障害が起きる場合はあり、その経過を見ているとしばしば考えさせられることがある。 嗅覚は、「花、果物、スパイス、樹脂、煙、悪臭」、以上6種類の大まかなカテゴリーに整理されることがあるが、実際には記憶や情緒と強く結びついた、きわめて個人的な感覚でもある。...
2026/2/23 レター
#鵜川医院レター
オリンピック2026男子アイスホッケー決勝:カナダ対アメリカ合衆国≒「NHLオールスター」 2026年ミラノ・コルティナ・ダンペッツォ冬季オリンピックにおける男子アイスホッケー競技は、単なるスポーツの大会を超え、アイスホッケーの歴史における重要な転換点として記録された。2014年
2026/2/22 レター
#鵜川医院レター
佐藤幹夫における代数解析学の創始と展開:その史的ドキュメント 20世紀後半の数学界において、解析学の風景を根本から塗り替えた最も独創的な知性の一人が佐藤幹夫(1928–2023)である。彼は「 代数解析学 」という、一見すれば相反する二つの領域を融合させた新たな学問分野を切り拓き
2026/2/18 レター
#鵜川医院レター
アドレナリン市場(1) アドレナリン点鼻薬のネフィーが使えるようになりました。アナフィラキシーに対する緊急補助治療薬です。1mgと2mgがあって、後者は24672.1円の薬価が設定されています。アルフレッサが発売。製造後2年使用できるのが良い点でしょう。エピペン0.3mg(10203円/筒)を処方するにはそれに加...
2026/1/31 レター
#鵜川医院レター
社会的な微生物伝播の意義 ピロリ菌の疫学から紐解く「生物学的レジリエンス」 Nature 2025: Social transmission of the human gut microbiota 保育園や幼稚園という「集団生活」の場は、教育の機会であると同時に、目に見えない微生物たちの巨大な交換市場でもあります...
2026/1/18 レター
#鵜川医院レター
型と折り合い 型は重要です。それを意識したのは当院に見学に来た医学部6年生が父の内視鏡検査の姿を見て「宗教の儀式のようだ」と形容したことが最初です。 確かに父の内視鏡は儀式のようでした。ある日検査にかかった時間を測定すると一人当たり5秒前後しか変動がなく驚きました。ロボットのようですが、「様式美」とか「形式」の極...
2025/12/30 レター
#鵜川医院レター
乳がん検診の歴史 「2年に1度」とされています 日本の乳がん検診は、21世紀以前は「視触診」が中心でした。しかし触って確かめるだけの方法では、早期発見には限界があり、死亡率低下という目的は達成しにくいものでした。その後、欧米の研究でマンモグラフィーが死亡率を下げることが示され、日本でも2000年前後から本格的な導...
2025/12/24 レター
#鵜川医院レター
縁 ある日、患者さんが父に外来で「お誕生日おめでとうございます」と手紙を渡そうとしていた。彼も父と同じぐらいの年齢である。 誕生日から数日経過していた。 父は封筒に何かが入っていると思ったらしく「結構です」と固辞しようとしていた。普段金銭は断るからだ。 しかし傍で見ていた僕は「これは本当に中身は手紙だ」と直感した...