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冬でも「冷やし」/ 医者の誕生日に手術を受けてはいけない?! / 薬局での誤った指導 / 内視鏡中の「接客」/ 盆栽 / 蔵書

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目次

冬でも「冷やし」

みなさんにも覚えておいていただきたい、水戸のソウルフード、スタミナラーメンを紹介します。 「冷やし」 と注文してください。これが出てきます。ネットで見るよりも美味しそうな写真でしょう?

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キャベツ、にんじん、ニラ、かぼちゃ、豚レバー、を炒めて、しょうゆ、砂糖、オイスターソース、紹興酒、一味唐辛子を加えて片栗粉で餡かけにしたものじゃないかと思います。 それを茹でて湯をきった麺にのせ供します。麺は水で冷やしていないのですが「冷やし」という名前です。雰囲気ネーミング笑 これに対してスープ+麺+あんかけのラーメンは「ホット」と呼ぶそうです。ホットは熱すぎるんじゃないかなと遠慮しました。

「水戸以外では見たことがない」と水戸在住の先輩より聞きました。かぼちゃでほうとうを思い出しました。あたたまりそう。

付け合せでレバーカツを食べましょう。

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脂肪肝諸氏は絶対に食べちゃいけない禁断の食材がレバーですが、それをカツにしちゃってソース&ゴマ&辛子をつけて、美味いの当たり前じゃん。レバーがちょっと苦手な自分でも、バクバク食べます。ていうかこんなありふれた組み合わせなのに、この歳になるまで見た事がなかったとは。

レバーカツも水戸名物でしょうか。何も調べずに、うまいうまいと食べます。(調べましたら「レバカツ」が正解でした)

あんこう(水戸の名物とされる)はまだ食べたことがありませんが「あんまり食べない」と先輩も言いますので、今回もスルーです。あん肝はビタミンD豊富ですが、やはり脂肪肝諸氏は食べてはなりません。栄養豊富過ぎるからです。

水戸駅で時間があったら、サザコーヒーの徳川将軍珈琲を飲みましょう。徳川慶朝さんが開発に当たられたとか。苦いのでミルク必須です。

将軍珈琲 / SAZACOFFEE サザコーヒー ちょっと贅沢なコーヒー。

ソウルフード、皆さんにはあるでしょうか。自分は二宮で生まれ育ちましたがあまり思い浮かばず。強いて言えば「東華軒のお楽しみ弁当」でしょうか。でも思い出の味はありますよ。シラスは河野さんが茹でたのが好きとか。鳥啓さんのローストチキンが好きとか。サンマローのメトードとか。全部もう食べられないんですが。

名医ならぬ、名患者さんの話

かかった医者をみな名医にしてしまう患者さん」という存在があるのです。医者の実力を大いに発揮させる受診の仕方をするのです。どの病院にかかっても良く診てもらい、本人も満足している。以前一度だけ「ちょっと痛みが引かなくて」と相談があったときにお薬手帳を見ると、その処方をした医師の治療内容に合理的根拠が100%見い出せなくて(要するに医者の対処がまずいのが明らかだったので)すぐに別の専門医へ紹介しましたけれど、その時ですら間違った処方をした先生の文句は仰っていません。人の格が高いのでしょうね。 さてその方が「病院をかえようかしら」と言っていました。リウマチと心房細動でかかっている病院の先生が両方1年交代で、これで3年連続交代になるのだそう。誰でも名医にしてしまう患者さんであってもこの状況ですと体力が続かないと感じたらしい。 誰でも名医にするというのはとても大変で、自分の様子を正確に医師に伝える能力に秀でていなければなりません。しかし毎年(医者が変わるのでそのたびに自分のたくさんの病気について相手に正確に短時間で伝える必要がある)だと確かにちょっと辛いでしょう。とはいえその病院には何も不安不満はなくて、単に体力的な理由であるところがさすがです。もう80歳を越えている方なんですよ。 (関係ありませんが、私は主治医が変わることは良いことだ、という立場です。どんどん変わるべき) 鵜川先生は気を遣わないでも良くてありがたいのでもうちょっと診てくださいと言われ、まあ自分が元気なら、と答えました。いえいえいつも十分準備して外来に来ていただいているのがわかります。ありがとうございます。 ところでその患者さんに病院の悪口を言う友人がいるんだそうで一応友人の言い分は聞いてあげるようです。でも私には「あそこの病院悪くないですよねえ」と仰る。その通り、悪いどころかいつも世話になっている良い病院です。 「病院で行き違いがあったときに折り合いがつけられない、不条理な事が起きた時に誰かのせいにしないと気持ちが落ち着かない、その気持ちを誰かにぶつけないと気が済まないのはお気の毒な事ではありますね」 「わからないわあ、なんで私に言うのかしら」 「(あなたに言いたくなるご友人の気持ち、なんとなくわかりますよ)」と思いましたが言いませんでした。黙って聞いてくれるのでしょうね。それを「寄り添う」と言います。黙って寄り添うはなかなかできません。何かアドバイスをしたくなっちゃう。やはり人としての格が高いんだろうと思います。

医者の誕生日に手術を受けてはいけない?!

Patient mortality after surgery on the surgeon’s birthday: observational study

日本人の研究者による観察研究なんですが、今日は4月1日かな?って何度も見ちゃうような内容です。なんと 「外科医の誕生日に手術を受けた高齢者は23%死亡率が高い」 と。本当なのか!? 優秀な外科医と言えどもライフイベントに結構結果が左右されるんじゃないか?というような考察でした。外科医は名札に誕生日書いておいてほしいかも。

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12月11日が父の誕生日なのですが。

患者さんが「今日は何の日か知ってますか?」と言うので、「知りません」と答えると「1211(胃に良い)なので胃腸の日です」と。おお、彼は胃腸の申し子だったんや!と、またネタができたぞと喜んでいました。

薬局での「指導」も色々面白い

「鵜川先生は怒りませんね」と言われることがあります。

  • 反射神経が鈍いので、怒るのが10秒後になったりするからカッコ悪いじゃないですか。だから基本的には怒りません。
  • その10秒でも色々考えたりするのですが、相手の行動の理由が見えます。それに対してシステムで対策をとれるか(プログラミングだとバグを潰すことができるか)を考え出すと怒るどころじゃなくなります。
  • 自分では考えつかないようなトンデモ思考が相手にあることがわかると、それを「面白いなー」と感じます。真似はしませんが。
  • 命に関わるミスを相手がしている時だけは、相手に伝えなきゃとは思います。

こんな感じです。でも怒る時はありますよ。

そういう意味で面白い(要するに間違っている)指導をする薬剤師さんがいます。あるいは患者さんの聞き違いかもしれません。わかりませんけれど。私が喋ったこともどう伝わってるんだかわかりませんし。説明なんて短いのが良いのですが、なんとなくいつも長々と話します。

他院で抗生物質を処方された患者さんがいました。処方内容がセフカペンピボキシルおよびビオフェルミンRです。もともと当院でミヤBMが処方されています。

そこで薬剤師さんがこう言ったそうです。

「ビオフェルミンもミヤBMも同じなのに」そのあとどう仰ったかはっきりわからないんですが。(両方整腸剤ではあります)

この発言は正解なんでしょうか。もちろん間違いです。少なくとも患者さんはその発言で(薬剤師さんが間違うわけがないのに、と)混乱をしていました。私が薬剤師だったらこんな話をすると思います。

「抗生物質のセフカペンピボキシルはその抗菌作用ゆえ、腸内細菌バランスを崩すことがあります。善玉菌が減少すると下痢の原因にもなり得ます。ビオフェルミンRとは、セフカペンピボキシルなどの抗生物質に耐性を持つ乳酸菌、すなわち善玉菌です。抗生物質起因による下痢を予防する目的で処方されます。実はこれにエビデンスがあるのか、というとはっきりしてはいません。したがって処方しない先生も多い。しかしながら、あなたは普段鵜川医院に通院し、ミヤBMを処方されていますよね?きっと医師はあなたのお腹が弱いんじゃないかしら?と想像したのだろうと思います。ミヤBM自体は酪酸菌であり、善玉菌を増やす作用があるビオフェルミン系とは全然違う整腸剤です。しかも抗生物質にもある程度耐性があるとも言われます。それでもお腹が弱いあなたが抗生物質で調子を崩したらかわいそうだな、そう思ってビオフェルミンRを処方したんだろうと想像します。あるいはあなたがお願いしたのかもしれませんけれど。どうぞ処方通りしっかりとお飲みになってください」

患者さんの指導をするときに、さり気なく処方した先生を褒め称える事はめちゃくちゃ大切な事です。自分が耳にする限り結構医者をdisる薬剤師さんはいますが、これは自分にブーメランなので気をつけたほうが良いのではないかしら?とは思っています。

こういう「指導」もありました。鉄剤を処方された患者さんに薬剤師さんがこう言ったそうです。

「あなた鉄剤を処方されましたよね。そして鵜川医院から酸化マグネシウムが処方されています。飲み合わせが悪いので酸化マグネシウムは飲まないでください」

まさかこんな指導はしないだろうと思い「同時に服用することは避けてください」と言われたのでは?と聞いたんですけれど、いや酸化マグネシウムはやめてくれと、少なくとも患者さんはこのように聞いたそうです。これももちろん間違いです。自分が薬剤師だったらこうする的に説明をしなおしました。

「体に鉄分が足りないと判断された場合に処方されるのが鉄剤です。鉄、というのは非常に吸収されにくい栄養分でして、例えばこの薬、50mgと書いてあるんですけれどほとんど便にそのまま出ていきます。吸収されるのはわずか5%で、95%は便に出てしまう。だからうんちは酸化された鉄の色で真っ黒になるんですよ。しかもそれは食前に飲んだ場合の数字。食後に飲んだらさらにその6割ぐらいと言われているんです。(ちょっと文献が探せず、数値はいい加減です)さてこのように吸収が悪い薬ですが、胃酸が中和されちゃうとさらに吸収が悪くなるんですね。なので胃酸を中和する酸化マグネシウムと一緒に飲むと、食後に飲んだ場合かそれ以上に吸収が少なくなる可能性があります。あと有名なのがタンニンで、お茶とかに入っていますが、これは鉄とくっついちゃうので一緒は避けたいです。一方、鉄剤は抗生物質の吸収を悪くしたり、甲状腺の薬の吸収を悪くしたりしますよ。したがって鉄剤は酸化マグネシウムとは時間をずらして飲むのが良いです。そもそも米国だったら鉄剤は朝食前に飲みましょう、と指導しますから、あんまり問題は起きないと思うのです。それが一番吸収率が良いからです。でも日本人はムカつきなどの症状を訴える場合がありますので、副作用が少ない夕食後服用を指示する先生が多い。だから酸化マグネシウムと同じ夕食後になったりして問題になるんですね。あなたの場合例えば鉄を朝、酸化マグネシウムを夕に服用したら良いんだけれども処方された鉄剤の飲み方を変更するには疑義照会が必要で私(薬剤師としての)が面倒です。なので出来たら鉄は夕のまま、酸化マグネシウムを朝にして、鵜川先生にそれで良いか聞いてくれたら嬉しいです。そして鉄を服用するとさらに便が硬くなったり、逆に柔らかくなる場合がありますから、酸化マグネシウムの量の変更についても鵜川先生に相談してくださるとうれしいです」

こんな感じです。その他カルシウムとマグネシウムがだめだと言っていたという薬剤師さんもおられました。カルマグに謝れ。それが本当だったらわけがわからないんですが、聞き間違いか、伝わりにくい言い方をしていただろうと思うのです。医療機関での「指導」にはこのように「指導する側」/「指導を受ける側」双方の情報共有が正しく行われているかを常に見守る必要がありそうです。

内視鏡検査中に雑談をするかどうか問題

まだ大学に残っていた頃の話です。イギリスのDr. Williams(内視鏡の世界では超超有名)と、日本では神とされる某先生(僕の師匠の弟子でもあるから、一応兄弟弟子?笑)の大腸内視鏡検査のライブデモの司会を任されました。英語が当時はすこし話せたからかなと思います。今は話せません。

で、日本の神は患者さんに目隠しをしてしまいます。そして速攻で大腸の奥に入っていきます。一方でDr. Williamsは患者さんと雑談をしながら内視鏡をしています。比較的のんびりです。観客としては当然後者のほうが印象は良いですわな。

その後数年経過して、私は神の気持ちがわかるようになりました。超集中すると目を開けている患者さんの雑念が伝わってきて、それに検査の結果が左右されるようになります。しかし患者さんに目を瞑ってもらうと、非常に検査がスムーズになる。つまり検査の質を均質にするためには目隠しがベスト。あるいは完全に寝かしてしまうか。

上部内視鏡検査の鎮静に関して論文を書いたときも、最大のメリットは「その方が癌がより多く見つかる可能性」とした記憶があります。当院の鎮静では合成麻薬を使うから体動が少ないという特徴もあるので、すべての鎮静がそうとは結論できないし、RCTもしてないからわからないんですが。

さて自分は大腸は専門ではないので、スピードは重視しないし、盲腸到達率も高くなくて良いと考えてます。大腸検査は午後遅いから、深く鎮静かけたくないし。でも検査の質は上げたいので、目は瞑っていてもらいます。患者さんが画面見たせいで検査の質が上がるということは絶対ないので。

患者さんは鎮静剤でぼーっとしている状態ではありますが、完全に寝ている人は多くはない。なので検査中黙っていると、間が持たないというか、もともとおしゃべりなので、適当に何か話しています。患者さんは目を瞑りながら、落語か独り言を聞いていると思ってくだされば良いです。

自宅の近所の焼肉屋が20年潰れていないのですが、Googleマップの口コミを見ると散々な内容です。しかし低評価の中に「肉の選び方次第だが食べ放題より安いので時々来ます、まあみんなが言うほど悪くはない」みたいな評価がありました。それを書いたのは自称「焼肉屋の息子」で、「焼肉屋の息子による焼肉レビュー☆シリーズ」みたいな事を書いているようです。そこで彼が書いたあちこちの焼肉屋の口コミを読むと、焼肉屋で最重要なのは「接客である」と断言しているのが印象的でした。肉じゃないんだ。

大腸検査をしていても検査そのものの質は、最高からまあまあ良好ぐらいまでにバラけるわけで、患者満足度はひたすら「接客」に依存すると思います。そのうちのかなりを「下剤」が占めるのではないか。下剤を飲むときの接遇は極めて奥深い問題です。もちろん勝手に下剤を楽しんでくださるスーパーな患者さんもいるんですが、それは神患者さんですね。こちらからお願いして何度でも大腸検査をさせていただきたい。

焼肉屋の息子によれば、チェーン店であろうが接客が最高なら高級店を遥かに凌駕し☆☆☆☆☆なのだそうで、本当にそうかもしれず、勉強になりました。

そんな話をしていたら完全に寝ていたと思っていた患者さんは実は起きていて……。

盆栽の哲学

盆栽(Bonsai)は、少なくとも1000年以上前の中国の盆景(Penjing)にその起源を持ち、日本に伝わり、独自の形式と意味を持つようになりました。盆栽の芸術は、自然の模倣において単なる美的追求以上のものを示しています。

箱庭療法でユングが明らかにしたように、小さな空間で自己表現をすることは深い意味を持ちます。盆栽は自然との調和、そして時間、忍耐、および内省の重要性を象徴しています。

近世まで西洋では自然の美しさや調和は「美」ではありませんでした。佐々木健一さんが「美学への招待」で述べていますが、それは彼らの宗教と深い関係があります。一方東洋では自然を美しいものとして受け入れています。

盆栽は、自然と人間の関係を探究する芸術で、極めて長い時間をかけることも重要な特徴ではありますが、一方で形式としての美しさがあることは言うまでもありません。盆栽風の造形に、我々は調和ですとか、時間を感じるのです。

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菊の世界も奥が深く、その芸術には目を見張るものがありますね。日本文化の多様さには56年生きていても驚かされるばかりです。小さな菊を盆栽風味に仕立てるのは1年勝負なので、本当の盆栽とは違った気軽さもあるようです。患者さんが秋になり、菊を持ってきてくださってそれは見事でした。玄関前にあったので、皆さんもご覧になったろうと思います

「Ex Libris(エクス・リブリス)」 〜 蔵書票

高校のときに「◯◯蔵書」というハンコを作って自慢していた友達がいまして。自分が買った、あるいは読んだ本に自分のネームハンコ押しちゃう気持ち、わかる!と思ったんだけど、未だに「鵜川蔵書」のハンコは作っていません。古本屋巡りの楽しみの一つは「誰かの蔵書だったことがわかる場合があるから」と友人に聞いたこともあります。芸術は作家の手を離れた瞬間に変化をはじめ、それが新たな魅力となる場合もありますね。NFTアートのつまらなさはそういうことかな、と自分的には思っています。所有の記録が010101010101010110で表現されて面白い人がいるんだろうか。「金だけ」が好きなら良いけど。(NFTアートは所有者による改変を認める、なら面白いと思っているんですが)

国会図書館の蔵書印コレクションはこんな感じです。

蔵書印一覧 | 蔵書印の世界

Michiko Kakutani という名前を知ったのはたいした意図もなく Kazuo Ishiguro という名前を Twitter 検索していたら、同じ日系の名前、New York Timesの大御所、みたいな立ち位置の人として出てきたからです。で、僕が彼女のアカウントをフォローした瞬間、彼女は書評家を引退したのであった。なんと遅すぎな僕。

Michiko Kakutani (@michikokakutani) on X

一応Instagramの彼女もフォローしてみたが、たまに良い写真をアップしていて、美的感覚の持ち主であることはわかる。自分のインスタグラムもそんな感じです。写真として面白いなと思ったものだけをアップしているので。彼女と感覚が似ているようで嬉しく思いました。

Instagram (@michi_kakutani)

彼女の言葉は難解過ぎてわからんけども、なんとなしに無視できない存在ではある。

さてある日のこと、本屋に行ったら、EX LIBRIS という彼女の2020年刊行の書評本の訳本が10月10日に発売されていたらしく、まあまあ隅っこの方に平積みされていたから、買いました。3,550円+税、とのことで、このサイズの本としては高いと感じます。買う人がいるんだろうか。僕は買ったけれど。

東洋では「蔵書印」だけど、西洋では本にカードを貼り付ける「蔵書票」が一般的で、それに「Ex Libris(エクス・リブリス)」というラテン語の文字が印字されるという事です。知らなかったなあ。これはアインシュタインの蔵書票。

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この本は Michiko Kakutani による100冊以上の紹介という体裁になっています。

100冊のうち99冊ぐらいは読んだことがないし、90冊ぐらいは死ぬまで出会わなかっただろう本なんだけれど、読者と読者が「結びつく」というこの本のコンセプトの通り、まあ、縁がないだろうと思ってる作家や本にも、少し人生が違ったら出会っただろうなあと思える部分はあるだろうなあ、という事がよく理解できます。

読んでいる本を見ればその人がわかるというけれどその通りで、 Michiko Kakutani の、考え方、文人としての、が良く反映されたセレクションであるように思います。リベラルですね。

Dana Tanamachi による挿絵がすごく良い。

Instagram (@dana_tanamachi)

これ読まなかったら絶対に知らなかっただろう本のごくごく一部は以下。高い本が結構ありますが、図書館でEX LIBRIS特集やってくれる(やらないならなんなの?とも思う)と思うからそれを待つのがおすすめ。それか自分で検索して借りましょう。あるいは装丁の優れた本なら買いましょう。でもどちらかと言うと怖い本が多いです。(もちろん戦争の繰り返しにNoを言いたいための本だからしょうがないんだけれども)

  • 幻影(イメジ)の時代―D.J.ブーアスティン:マクルーハンが漠然とした事(あんまり中身がない)を書いたとするなら、こちらはもっとストレートに書いたのかな、などと。
  • 夢遊病者たち―クリストファー・クラーク:戦争がどう始まるか、の話。自分は加藤陽子先生の本を読んで、我々の選択が間接的に、どう戦争を始めてしまうのかを勉強して空恐ろしくなったのですが、その原型と言えるのでしょう。
  • グールド魚類画帖―リチャード・フラナガン:Kakutaniが感じたのは監獄の理不尽さか。スタンフォード監獄実験を想像してしまう。読むのが恐ろしい。
  • 人生に聴診器をあてる―スティーブン・グロス:フロイト派の本らしいです。ユング派ばっか読んでいたが西洋的にはこっちがメジャーか。

などなど99個書きそうになったのでこのくらいで。

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